ショートロッドの可能性

 

Kはエギングでも好んでショートロッドを使用している。

それも世間一般でにショートと言われているレングス(7ft後半)よりも更に短い。

おそらく陸っぱりエギングでは前例のない7ftジャストもしくは6.3ftなんてのも使っている。

 

主に使用している愛竿

nuovo_caramaretti_boat_top

オリムピック GSONCS-702ML-BS

 

一見やり辛そうに思えるこのレングス。

ところが、不思議なことに一般的なレングス(8ft台)からのチェンジで劇的に(とまでは言わないが)釣果が良くなった。

 

そこで、異論反論あると思うが、エギングにおいてこのレングスにするメリットならびにデメリットをまとめてみたので参考にしてもらえれば幸い。

 

≪メリット≫

・感度が良くなる

同じ素材で長さの異なる棒があるとしよう。極端な例だが一方は30cm、他方は5m。端をもって先端をはじいた場合、どちらが感じやすいかと言えば明らかに前者だろう。短い分伝達スピードに違いは出るし、長さがあれば当然しなりの分で衝撃を吸収してしまうこともある。長さは違えど一般的な8ft台のロッドとKが好んでいる7ftのロッドとの感度の違いはこのことからも証明できるだろう。

 

・疲れにくい

改めて説明することも無いかもしれないが、長い分重さを感じやすくなるのはごく当然のこと。だが、この重さと言うのは全体的な自重の話ではなく「持ち重り感」のことである。今更ながら「持ち重り」とは、グリップを握ってロッドを持った時に先端付近に感じる重さのことである。各社ともこの持ち重り感を解消すべく、グリップエンドにバランサーを入れたりと工夫はしているが、当然これによって全体的な重さは重くなってしまう。確かにショートロッドであってもこの持ち重り感は無くならないが、短い分感じ辛くはなっているはずだ。アングラーは時に半日この重さに耐えなければならないので、たとえ少しの重さの違いであってもこの負担は大きい。

ちなみに、持ち重りの話が出たので、ここで「持ち重り感」を大きく左右する2つの“継ぎ”の話をしようと思う。

印籠継ぎ(スピゴットフェルール)は接合のためにペグと呼ばれる芯がバット側に埋め込まれており、これによって継ぎ目の強度UPを図っている。だが、他の継ぎと比べるとどうしてもペグが入っている分重くなってしまい、バット側の先端にあるおかげで持ち重り感が増幅してしまうというデメリットもある。

2pcs

印籠継ぎ

 

並継ぎ(フェラライトフェルール)はペグが無い分、軽くスムーズにロッドが弧を描くのが特徴。当然こちらの方が持ち重り感は少ない。デメリットとしては、印籠継ぎと比べ強度が劣るとあるが、えらい大物を掛けるのでなければ現在の技術で十分カバーは出来ている。ちなみにKはこちらを好んで選んでいる。

02

並継ぎ

 

・集中力が途切れにくい

前述の「疲れにくい」に繋がる話だが、実はこの「集中力」こそ釣果を左右する大きな要因だと考えている。人間、疲れれば当然集中力は低下する。結果、エギの操作が適当になりイカに余計な警戒心を与えてしまう。集中力が残っていれば釣れたはずのイカもこれまできっといるはずだ。

 

・持ち運びや収納がしやすい

これは正直たいした話ではないが、短いがためのメリットの1つ。

 

 

≪デメリット≫

・飛距離が伸びない

弾性要素も排除できないが、ロッドは長ければ長い分だけ飛距離を出すことが出来る。これは物理の世界だろうからKの苦手分野ではあるが、おそらく「○○の法則」ってヤツだと思われる。何となくわかってほしい。しかしながら、ショートでも十分飛距離をカバーできることは可能だ。その1つがキャスト方法。Kはペンデュラムキャストという方法でキャストしている。いわゆる垂らしを長くとって振り子の原理で投げるアレである。これであればロッドを振り抜くスピードに加え遠心力も増すため、簡単に飛距離を稼ぐことが出来る。一般的には第一ガイド付近までエギを下ろしてのキャストのようだが、Kはグリップエンドもしくはそれ以上垂らして遠心力を増しているため、自分で言うのものなんだが、そんじょそこらのアングラーであればショートロッドであっても飛距離で負けることはないと思っている。慣れればそれほど難しくも無いし、正確な場所にキャストすることも可能なので一度チャレンジしてみてほしい。他にもラインを細くするとか、ガイドを小さくするとか、Kでも気がついていない方法は他にもあるはずだ。自分で発見することも釣りの楽しみの1つだろう。

 

・足場が限られる

と一般的に言われているので一応デメリットとして挙げておくが、正直Kにはこの意味がわからない。アングラーからアオリイカまでの距離の大半はラインが占めているのだから、ロッドが例え1ft変わったところで大して影響はないだろう。ロッドの短さをラインスラックで補えば良いだけの話。全国のエギングポイントの足場など経験上高くてもせいぜい15m程度。この範囲であれば十分対応できるし、Kは対応してきたつもり。

 

・周囲からの熱視線を浴びる

7ftとなると周辺のアングラーのロッドと比べると明らかに短いことは一目瞭然。たまに、いや、結構「それ、どこの竿ですか?」なんて聞かれることがある。静かに釣りをしたい人には向かないかもしれない。

 

・商品が少ない

ショートロッドでのエギングが復旧していないため、当然そんなエギング専用ロッドなどどこのメーカーも扱っていない。Kも今のロッドに巡り合うまでは、バスロッドから始まりボートシーバスロッド、そしてボートエギングロッドという遍歴を辿った。今でこそボートエギングがそこそこ浸透し、それに伴ってロッドのラインナップも豊富になってきたが、それでも自分好みのテーパーだったり、レングスだったりと、なかなかセレクトが難しい。こればかりは各メーカーから陸っぱり専用のショートロッドが発売されるまで待つしかなさそうだ。

 

最後に、Kが愛して止まないGSONCS-702ML-BSの他に良さそうなロッドを幾つか紹介しようと思う。

 

ヤマガブランクス Various EG77M

waterhouse_4560395510103

K的には少し長めだが、ショートロッド入門であればこのぐらいからスタートした方が入り易いのではなかろうか。

 

エバーグリーン SIMS-73M ウィップジャーク

02120005_08

ボートエギングロッドとしては有名。陸っぱりでも愛用しているアングラーがいることは少人数ながらも確認済み。

 

 

エギングの歴史はまだ浅い。世に出てからせいぜい10年足らずだろう。だが、急激にエギング人口が増え、創世期に比べ明らかにアングラーの技術が向上した昨今、各メーカーは次なる一手を模索中なのではないだろうか。一般的なレングスの8ft台から始まり、サーフエギング専用の10ft台のロッドが登場する中、次は確実にショートの時代が来るとKは考えている。ショートでも十分な飛距離を出し、従来と変わらず楽しめるアングラーはきっと増えている。ただ、ショートの可能性に気がついていないだけだ。ガンクラフトなどは当初からショートロッドの可能性に一目置いていたメーカーだったが、どうも盛り上がらずに終わってしまった感がある。ショート信者のKとしては非常に残念ではあるが、シマノ・ダイワあたりがこの可能性に着目し、再度火をつけてくれることを信じてやまない。

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です