メインラインの選択

 

昨今のエギング人気を反映してか、各社からそれはそれは相当の種類のエギング専用(メイン)ラインが発売されている。特に始めたばかりの方はラインの選択に迷い、結局は店員に言われるがまま購入・使用しているのではなかろうか。かく言うKもそんな1人だった。だが、これまで様々なラインを試して失敗し続け、最近になってようやく「これだっ!」と思えるラインと巡り合うことが出来た。

そこで、Kが長い時間をかけて調べたことや考えを備忘録としてまとめておこうと思う。毎度のことながら賛否両論あろうが、ご覧のみなさんにも何かの参考にしていただければ幸い。

【素材】

まず最初に悩むのはラインの素材。①ナイロン、②フロロ、③PEと大まかに分けてこの3種が現在の釣りでは主になろう。いずれもエギングが出来ないわけではないが、その特性からエギングのメインラインとしてはどうしてもPEに軍配が上がる。何故そうなるのか、簡単にまとめた各々の特徴を見比べてみるとよくわかる。

★伸び(感度)

ナイロン よく伸びる(悪い)/フロロ やや伸びる(良くない)/PE ほとんど伸びない(大変良い)

★硬さ

ナイロン しなやかで癖が付きにくい/フロロ 硬く癖が付いたら取れにくい/PE 非常にしなやかで癖が付かない

比重

ナイロン 1.14程度(沈む)/フロロ 1.78程度(沈む)/PE 0.97程度(浮く)

根ズレ強度

ナイロン そこそこ強い/フロロ 強い/PE 弱い

風の影響

ナイロン 受けにくい/フロロ 受けにくい/PE 受けやすい

吸水性

ナイロン よく吸水するため劣化が早い/フロロ ほとんど吸水しないので劣化は遅い/PE 吸水しないため劣化は遅い

ライントラブル

ナイロン 少ない/フロロ 多くはない/PE 多い

価格

ナイロン 安い/フロロ 高くない/PE 高い

こうして各々のラインを比較すると一長一短あるが、エギングのメインラインとして求められる要素(★印)を考えるとPEラインを選択するのが自然である。硬さに関しては念のため説明を補足するが、PEは最もしなやかでキャスト時のラインの放出が非常にスムーズなのである。ガイドに当たっても大きな抵抗とはならずパワーロスが少ない。比してナイロン・フロロはそれなりに硬さがあるので、キャスト時にラインがバタつきやすく、それによってガイドに当たった時の抵抗が大きくなる。パワーロスも大きいのでそれに伴い飛距離も出ないというわけだ。

 

【号数】

次は「何号にすればよいのか?」という疑問にぶち当たる。オーソドックスな号数としては一般的に0.8~1.0号あたりだと言われているようだが、これまで様々な号数のPEを試してきた経験からもそれで良いと思う。K的には初心者の方であれば迷わず0.8号をオススメする。

これも太い細いで一長一短あり、太いと丈夫だが風や潮の影響を受けやすい。細いとその影響を受けにくいがすぐに切れる。これをいいバランスで保っているのが0.8号だと思う

。そのため、エギング初心者は0.8号から始めて、徐々に号数を下げていくと良いだろう。ちなみにKは0.4号という非常に細いラインを使用しているが、ただの0.4号ではなく根ズレ対策をとったラインを使っている。詳細は追々しようと思う。

 

【カラー】

なんでもいいです(笑) いや、ホントに。

カラーが関係するのは視認性を考えてのことだろうが、デイエギングやるなら市販されているものに見えないものは無いし、ナイトエギングであればラインなんて見ないようになる(と言うより見えない)。夜は特に感覚がモノを言う世界なので、始めからラインを見ようとしない方が上達は早くなる。…と、Kは勝手に思ってます。

 

【浮力のタイプ】

PEラインにはフロート、サスペンド、シンキングの3パターンのラインがある。結論から言えば、スラックジャークを多用するならフロート、ショートピッチジャークを多用するならシンキングがベストであろう。サスペンドは曖昧で正直なところよくわからない。男ならハッキリ白か黒だろう(笑)

やや脱線したが話を戻そう。なぜ各々の釣法にそのラインなのか。下の図を見て欲しい。なお、この画像は「勝手にシェリルミノーさんのサイトから画像をもらったアーリーさんのサイトからKが勝手にもらったもの」です。(ややこし!) 今回の説明をするのにこれほど最適な画像は無いものでどうかご容赦ください。

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まずはスラックジャークから。この釣法はラインのスラック(たわみ)を利用してエギをあまり動かさず上に上に跳ね上げてイカを誘っている。そのためライン自体に浮力があった方がエギを跳ね上げさせるのに都合がよい。赤いラインがまさにスラックジャーク。逆にラインが沈んでいるとそのラインの方向(横)にエギが引っ張られるので当然移動距離が長くなり、スラックジャークの持ち味である移動距離の少なさを殺す結果となってしまう。これは青のライン軌道のこと。反して、ショートピッチジャークは主にラインでアタリをとるためラインが浮いてロッドとエギの間のラインが曲線(赤のライン)になっているとどうしてもアタリがぼやけてしまう。そのため、よりエギとの間が一直線になりやすいシンキングタイプ(青のライン)が適しているというわけだ。

「釣法に合わせたライン選択」 意外と重要だ。

 

【巻き数(総距離)】

使用するリールのスプールに合わせるのが基本。エギング用のリールであれば0.8号を150mが一般的ではなかろうか。だが、下巻き(最初に使用しないラインを巻いてスプールの径を広げておき、その上からメインの細糸を巻くこと)などで調整することも可能だ。エギング用のPEラインは100,150,210mといった長さで売られているものが大半。エギを飛ばす距離など高々50mなので、PEラインを生まれて初めて使う人以外なら少々のライントラブルを考慮しても、いずれを選択しても間違いは無いだろう。仮に100mを選んだ場合でも1回の釣行で50mを失うことなど滅多にない。心配なら210mを選ぶことになろうが、これはこれで多少面倒なことがある。それはラインが目減りした都度、放出に最適なラインの量を保つよう巻き直さなければならないことだ。ラインが少ないとスプールエッジにラインが引っ掛かり抵抗が生まれる。これは少なからず飛距離のダウンに結びつく。残量が少ないとエギングが出来ないわけではないが、より快適なエギングをしたければラインの残量は気にした方がよい。

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